富士通|arrows life(アローズライフ)|Sound Creator KOJI NAKAMURA 「日常の音」から発見する新たな音の世界。[後編] 創造の深化、技術の進化

サウンド・クリエイター Koji Nakamura が語る
「日常の音」から発見する新たな音の世界。
[後編]  創造の深化、技術の進化

日本のポップシーンを20年にわたって牽引してきた「ナカコー」ことKoji Nakamura。ジャンルにとらわれない自由な音作りは、2013年から手がけるarrowsのサウンド・デザインにおいても活かされています。
前・後編に分けてお送りするarrows lifeのKoji Nakamuraインタビュー。
後編となる今回は話題をさらに掘り下げて、音と空間の知られざる世界をたっぷりとご紹介。さらに最新端末arrows NX F-01Jに搭載されたオンキヨー社監修「TUNED BY ONKYO」のサウンド・クオリティを、実際にナカコーさんに体験して頂き、その感想をおうかがいしました。

#01 未知のサウンドに出会いたい

今まで出会ったことのない音、今まで出したことのない音。自分にとっての「音作り」とは、そういう音をいかに「音楽」として表現するかにあると思っています。作品としてのカタチにこだわるよりも、自分が好きだと感じた音に忠実でありたい。そこから何かを生み出したいんです。

ところがこの「音作り」「音を作る」という言い方が微妙でして。時には既存のカタチを踏襲するだけのような「音作り」を求められることもあります。もちろんそういう「音作り」もあっていいとは思いますが、自分のやりたいことではないなと。

2014年にKoji Nakamura名義で初のソロ・アルバム「Masterpeace」を発表したナカコーさん。20年にわたる活動の集大成ともいえるこの作品には、“Arrow of Time1”、“Arrow of Time2”という曲が収録されている。これはarrowsのサウンド・デザインを手掛けたことと関係があるのだろうか。

いやあ、これはまったくの偶然でして(笑)。タイトルが決まった後で初めて「あ、そういえばarrowsの仕事やったな」と気がついたんです。とはいえ、曲に対するアプローチに、arrowsのサウンド・デザインと近いものがあったことは確かです。「日常空間に音がとけ込む」というイメージをいかに作品の中で表現するか。それが共通のテーマとしてありました。

♯02 「錯覚を起こす音楽」が生み出す新しい音の世界

“Arrow of Time1”と“Arrow of Time2”は、機材を屋外へ持ち出して自然音や環境音を録音する「フィールド・レコーディング」の手法が用いられている。波の音や湧き出る水の音、大小さまざまな音が現れては消える様子は、確かにある架空の「日常空間」をイメージさせる。

昔から水の音が好きなんです。水が流れる、水が湧き出る、雨が降る……。家にいる時も、水道の蛇口から水滴がポチャン、ポチャンと落ちる音を、ひたすら聞いていたりしますから。

“Arrow of Time ”という曲のもうひとつの狙いは、「時間の経過」を音で表現することでした。「arrow=矢・矢印」という単語には、「移動」や「経過」といった動的なイメージを重ねることもできます。つまりサウンドの中で何かが進行しているように思わせること。波の音がする、車が通り過ぎる、人が歩く、扉が開く……次はいったいどんな音が来るんだろう? そんな物語のような構造をサウンドだけで表現したくて。自分はそれを「錯覚を起こす音楽」と呼んでいますが、フィールド・レコーディングは錯覚を生み出すうえでとても効果的な手法なんです。

例えば今ここでスピーカーから音楽を鳴らしたとします。でも耳に入ってくる音は音楽だけではないですよね。あの壁の換気扇もずっと音を出して回っているでしょ。そうしたすべての音が合体した状態、それが実際に僕たちがいる日常の空間なわけです。

では日常の空間をすべてスピーカーから流したらどうなるか。そこにまた今いる日常の空間が混ざったらどうなるのか。言ってみれば、フィールド・レコーディングで電車の音を録音して、それを聴きながら本物の電車に乗るみたいな(笑)。

なにか異様なことを言っているようですが(笑)。ようするに僕たちがいる日常の空間とは、ハイ(高音)もロウ(低音)も、あらゆる音域が自然と補い合って、巨大な音のテクスチュアというものを形成している。その表情を自分なりに知覚することを「錯覚」と呼んでいるんです。現在はそうした錯覚の面白さを、フィールド・レコーディングを使わずに、普通の楽曲としてどうにか応用できないかと模索中です。これが思った以上に難しいんですけどね。

高品位な音質で楽しめる、
オンキヨー社監修によるサウンドクオリティを実現。
arrows NX F-01J

イヤホン回路には、音響特性のよい部品を採用。デジタルノイズや歪みの少ない「TUNED BY ONKYO」によりオーディオプレーヤークラスの高品位な音質で楽しめます。

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